the scent of Jasmine ~ Akiko Endo Essay Blog

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7.22.2019

初夏の惟い

緑が眩しい初夏の夜半、散歩道を歩く時、
ナイトジャスミンの木々が夜風に揺れる度に、かぐわしい甘い香りが漂ってきます。
この香りが漂うと、本格的な夏に向かっていると感じます。
季節が足早に過ぎてゆくのを感じるとき、気分的に、時に置いて行かれるような焦燥感を感じます。
時を止める事はできないけれど
時間は意識の中で如何様にも調整可能なものです。
時の流れにに、今だから実感できる巨匠の言葉があります。 
『時間はゆっくり流れる方が良い』
その言葉の出典は定かではないのですが、
たわいない会話でありながら、とても印象に残っています。
20代の頃、偶然に読んだエッセーの中に見つけた短い言葉です。
記憶では恐らく、彫刻家ロダンと弟子のカミーユ・クローデルがセーヌ河畔にたたずんでいた時に、ロダンがつぶやいた短い言葉だったと思います。
時間と競争のように走り続ける、エネルギーに満ちていた青春時代、
その言葉の意味が理解できずに、ずいぶん長い間、記憶の片隅に残っていました。
数十年の長い時が流れて、今は、その言葉の意味がわかります。
自分の力で抗し難い環境に置かれたときに、
ゆっくりと時が過ぎるのを待つ術(すべ)しかない環境に置かれたとき、
時の流れに任せなくてはならない状況に置かれたときに、
「1分という時間は、1分なのだ。」とわかり、その1分が、とても長く感じるのです

1分を2分生きる為に数倍のエネルギーを使う、そのエネルギーを使える時間は
人間である限り、限られた期間なのだと、今はしみじみと実感しています。
人生の一節を幾つも重ねてみて、たわいない言葉の意味を今は深く味わっています。
実に、令和に代わる平成最後の時間はゆっくりと流れました。

時間と目標に追いつこうと、タイムフレームに自分をはめこむのは、少し止めて、
一瞬でも、季節の移り変わりを感じながら、時に足を止めて、
ゆっくり時が過ぎるのを楽しむようにしています。
けれど、新しい毎日は、新しいチャレンジを運んできます。
それを穏やかに受け止めて、
より人生を Enhancement して、最終章を綴り続けたいと思うこの頃です。

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To dream the impossible dream,  
To fight the unbeatable foe, To bear with unbearable sorrow,
And to run where, the brave dare not go, to right the unrightable wrong
And to love pure and chaste from afar, to try when your arms are too weary
To reach the unreachable star, this is my quest, to follow that star
No matter how hopeless,   No matter how far
To fight for the right, without question or pause, to be willing to march,
March into hell for that heavenly cause
And I know, if I’ll only be true to this glorious quest
That my heart, will lie peaceful and dream
When I’m laid to my rest, and the world will be better for this
That one man, scorned and covered with stars, 
Still strove with his last ounce of courage
To reach the unreachable star
And I always dream, the impossible dream
Yes, and I’ll reach the unreachable star
------- From Man of La Mancha ---
07/22/2019