感謝祭の頃、住まいの小さな庭に、恒例の冬のファンタジー、クリスマスのイルミネーションが灯ります。
初雪、静まりかえった朝でした。ベンチも寒そうですね。
ヨットハーバーにアイススケートリンクが設置されました。晴れた日にハドソン川縁で自由の女神を遠くに眺めて滑ります。
吹雪でも、はり切って滑っている子供、吹雪でも喜んで走り回っている愛犬達、大人は誰も出て来ません。静かな世界。
雪が止んだ夜。凍った空気にイルミネーションが一層輝いて見えます。
クリスマスデーの日没、自宅の窓より、自由の女神が見えます。
ロックフェラーセンターのクリスマスツリー。
Photo by Akiko Endo
遠藤明子の綴るエッセーと活動を収録したプライベートラブラリーにようこそ。 2001年9月11日、私はグラウンド・ゼロにいた。生き残った私に、癒しの香りが新しい人生はを運んできた。』 想像を超えた悲痛事が人生の新しい章を開いた。 命と向き合った旅路の章から、今、次の章を開きます。一ページづつ、大切に日々の心の思いを綴ります。生きる事の意味を問いながら、9/11突然に天空に散った命を思いながら、綴ります。 どうぞ、いつでもライブラリーにお越しください。
the scent of Jasmine ~ Akiko Endo Essay Blog
12.26.2013
12.24.2013
Ground Zero 12years "グランドゼロ 12年目の冬"
2013年が終わろうとする、ある日、実に12年振りに勇気を振り絞って、グラウンド・ゼロの地下、開通したばかりの地下通路、<ワールドトレードセンターの地下道>を通りました。
2001年の9月11日、救援にかけつけた消防士、ボランティアー達が落命した現場です。12年という歳月が生々しい惨状の記憶を薄れさせましたが、実際に現場を通ることは勇気が要ります。
心底に眠っていた慟哭が呼び起こされるのではないかと、不安がありました。気が紛れるように、いつか友人たちと一緒に通ろうと決めていたのですが、いずれ一人で歩かなくてはならない、一人で一歩を踏み入れようと、大きく息をして、真新しい深い地下道へ通じるエスカレーターに一歩を踏み出しました。。。
エスカレーターに乗ったからには下りるしか道はない。そして恐る恐る、祈る気持ちで、長い地下道を歩きました。将来このコンコースには有名ブランドのショップやレストランが入る予定ですが、真っ白な大理石のコンコースは冷たい霊廟の地下を歩いているように感じました。
しかし、この地下道を平静に通り抜けることができたのは驚きでした。否が応でも崩壊前の賑やかだった地下街の様子が懐かしく蘇ってきましたが、冥福の祈りを捧げながら歩きました。
此処で人生が閉じて、今は忘れ去られた人々に。
今日は雪が降りました。
9.11の惨事の年の冬、ビルの残骸で作った鉄の十字架に慰めるように白い雪が優しく降りかかっていました。その光景がありありと目の前に浮かび上がってきました。あの時は先が見えなかったけれど。
前に進もうと、小さな努力に未来は新しい変化をもたらしてくれました。毎日、避けていた小さな事でも向き合って一歩を踏み出して、小さな変化を起せば自分の明日が変わる。残り少なくなった日々を、そう自分に言い聞かせて過ごしております。
新年に皆様との再会を楽しみにしております。
白雪舞うニューヨークより、感謝を込めて。
December.2013
Essay&Photo by Akiko Endo