the scent of Jasmine ~ Akiko Endo Essay Blog

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詩 snow(P.12)

<2011.08.04 La Lumpini 夏の夕べ「心を詩う香りの世界」(軽井沢 蕉雨館にて)より>

 

<2011.09.04 トークショー(吉祥寺アトレ)より>

snow


真っ白な雪に覆われた、グラウンド・ゼロ
20082月、あれから7年目に舞い降りたこの雪
それは、それぞれの心底にある痛みをひとつ残らず清浄な世界へと誘うであろう
幾多の人々の祈りの象徴、そして、幾多の励ましとなったあの十字架
時を重ね、St.Peter’s Churchのブロードウェイ沿いで佇む
かすかな雪を纏う錆びた十字架の鉄柱
世界平和の祈りを刻み、大地に根を張るごとくに凛とした姿となる
世界中が震撼したナインイレブン
ワールド・トレード・センターへ、救助のために飛び込んで行った消防士や警察官
それを目の当たりにしたあの瞬間が蘇る
戻らぬ彼らの魂は、救われた人々と共に生きている
住む場所さえも失ったこの一帯の人々
身も心も打ちのめされたなかから、必死に立ち上がろうとしていた
灰で埋もれた街は、おびただしい残骸とその匂いがたちこめる
このコミュニティーのボランティアたち
崩れ落ちたワールド・トレード・センターの残骸で十字架を作った
そして、星条旗を掲げ「God Bless America」と皆で叫んでいた