年の終わりを間近にして、 のんびりとニューヨークを楽しむ観光客と対照的に、 ニューヨーカーは気忙しく、街を行き交います。いよいよと、 カレンダーは最後のページを残すのみとなりました。
改めて、この一年の温かなサポートに心より御礼申し上げます。 私にとり、思い出多い一年でした。 その時を共有して下さった皆様、 一人一人に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。 感謝で締めくくれそうです。
私は子供の頃から、縁側の陽だまりで、 ボーッとして空を仰いでいたそうです。 なんとなく記憶があります。縁側の陽だまりは温かくて、 庭の柿をついばみに来る鳥たちや、秋の草花を眺めながら、 ぽっかり浮かんだ雲を眺めるのが好きだったのです。 遠くを眺めるのが好きでした。
この時から星降る村に心惹かれたのです。この経緯(いきさつ) は夏号に書きました。
< 緩やかに秋が深まる甲斐から信州への旅はスペースファンタジー >
10月初旬、深夜に高原の原っぱで、ブランケットにくるまり、 寝そべって、夜空を見上げました。 深い宇宙の深海に散りばめられた星たちの輝きは、 明日の希望を私の心に散りばめてくれるようでもあり、 星の瞬きが、懐かしい人々との対話に導いてくれました。
深海に浮かぶ、輝く月の静かな気高さは、 自分に生きる誇りを蘇らせてくれるようでした。
< Space Science - 宇宙科学の村 - 青空に雲のメッセージが浮かぶ、のどかな農村 >
帰路、高原循環バスを待っていた時に、 空にソフトクリームの雲がニョキニョキと現れました。 思わず笑ってしまいました。 今年は清泉寮落成から80周年だそうで、 牧場は記念行事の準備に追われていました。『清里の父―ポール・ ラッシュの描いた夢より80年。 そして受け継がれる次の80年へ』 ポスターのキャッチフレーズが心に残りました。
「目を醒ませ、好奇心」 と天文台の案内の一文が目に留まりました。 幾つになっても好奇心は失せることがなく、自分の生命が、 いつか流星のように一瞬にして消えるにしても、 人生の最終章がこんなに豊かな心で綴れる事に幸せを感じています 。
『宙への扉のある村』から『銀河鉄道』そして、 最後の旅のハイライトは日本の雅と自然美の調和が見事な日本庭園 を持つ、プライベートな迎賓館を拝観できたことです。 妥協のない名工の技と精神が、 隅々まで息づく迎賓館を拝観できた事でした。 その感動は言葉に尽くせません。 雨の降らない日が続いた京都でしたが、訪問の朝、 にわか雨が降りました。その雨のお蔭で、 庭園の苔桃がしっとりと一層緑深く、 粒のように小さい苔桃が開いて、庭園を引き立てました。 琵琶湖疏水から引かれた清流は何段もの石に落ちながら、 池に注ぐ水音は心地よく、そして、突然、一服の名画のように、 池の畔に鷺がたたずんでいた。突然、 私の目の前で翼を広げて飛び立ち、大きな翼が頭上を超えた時、 飛び立つ先を見上げれば、空が広がり、 何か新たな空へ大きく飛び立てとのサインかとも思えました。 共に飛躍しようと鷺が誘ってくれたのかも知れません。
ため息の出るような深い感動に充たされて庭園を後にしました。
2018年、ありがとう。そして、 来る新年が皆様に幸多い年になりますようにお祈りしております。
最後にニューヨークのホリデーシーズンの一コマをお贈りします。
“”“” 思い出の旅‘ 春『Fascinating Kyoto』魅惑の京都、『八ヶ岳原村、星降る里』でお誕生祝、 『花巻の旅』、奥入瀬の清流の音、輝く新緑、花巻温泉、『 小海線の旅―High Rail』JR最高地点で『幸せの鐘を鳴らして』、 夏の琵琶湖半、『彦根』、夏の盛岡から『星をみる旅、野辺山』 へ、初秋の岩手の旅は盛岡から花巻へ、 宮沢賢治の故郷は銀河鉄道の旅、山猫軒でコーヒーを飲みました。